2025年9月27日土曜日

凪待ち/加藤正人 ★★☆ 2025/09/26

競輪にのめり込むだめな男が恋人の美容師と娘と、彼女の故郷の岩手に戻って再起を図るがそこでも競輪に、というような筋で、だめなところが読んでいて楽しかった。だめ人が主人公の作品は性に合っているのかなあ、とか思った。読後、同名映画を脚本がノベライズしたものとわかった。


匿名/柿原朋哉 ★★☆ 2025/09/26

匿名の歌手Fを応援するOLと、そのFとを交互に描いていくが、出待ちしていざ出会ったときにかつていじめた同級生がそのFだったという、心に傷を持って生きてきた二人が生きることに自信を持っていく、そんな作品。悪くはないがやや軽いか。


ディアスポラ/勝谷誠彦 ★★☆ 2025/09/27

読み出す前からあの勝谷誠彦の作品というわかっていたので、チベットが舞台とわかって彼らしいなあとか勘ぐってしまった。どうも原発事故かなにかで日本人が離散した世界でのチベットに逃れた日本人たちのお話というディープな設定だが、淡々と描かれていて文学チック。もう一篇の「水のゆくえ」も寒村に放射能が降った世界の話だが、人々の生活に焦点を当てた文学チックな作品。


ラスト ラン/角野栄子 ★☆☆ 2025/09/24

バイクを買って自分の故郷に旅に出たおばあちゃんが、そこで幽霊に出会って、おそらくそれは自分の母親だというファンタジーものなんだけど、ちょっと読むのがしんどいかなあ、と感じて126ページでドロップ。

2025年9月21日日曜日

おおあんごう/加賀翔 ★☆☆ 2025/09/21

上半身裸で挙動が乱雑な父を鬱陶しがる子どもが主人公という感じの始まりで、ちょっと今一つだなあと思って36ページでドロップ。子どもが主人公なものはだめなことが多い。

2025年9月19日金曜日

死にたい、ですか/村上しいこ ★★☆ 2025/09/18

自殺した少年の遺族が学校と加害少年たちを訴えた裁判を、少年の妹、取材する記者の視点で描いていくと作品だが、妹も記者も心に傷を追っているというか、ややグズっている感じで、読んでいて楽しい。最近思うのだが、うじうじした人物が登場する作品が好きなのかも。


2025年9月17日水曜日

あれは子どものための歌/明神しじま ★★☆ 2025/09/17

人の願望を叶えつつ不幸に陥れるワジと、それに対抗するフェイという二人の登場自分つを主軸にしたファンタジーものの短編集かなと思いつつ読み進めていて、パラパラしだしたところで、ああファンタジー世界の推理小説なんだと気がついた259ページでドロップした。