2021年9月23日木曜日

錆びた滑車/若竹七海 ★★☆ 2021/09/23

中年の女探偵が、依頼に基づき梅子を張っていたところで出くわした青沼ミツエと交流しているうちに事件に巻き込まれていくサスペンスもの。おおむねすべての伏線が回収されていくいかにもサスペンスという感じで書かれたややパロディーっぽい作品で、全6作のシリーズの第5作目のようだ。


鏡のなかのアジア/谷崎由依 ★☆☆ 2021/09/23

なんか気取ったような文体がどうもだめ。23ページとまだまだ冒頭なんだけど、ちょっとアマゾンを叩いたら魔法とか言うことが出てきて、ああなんかそういう筋書きが出てきてもおかしくない感じだわ、とネタバレ感もあるので、ドロップする。


人生胸算用/稲葉稔 ★★☆ 2021/09/23

田舎の郷士のせがれである青年が、江戸の出てきて商家に奉公し、事件を解決したりして活躍する時代小説。商家の娘との恋愛ストーリーもあり、気軽に読める作品。


信長嫌い/天野純希 ★★☆ 2021/09/23

敗れた武将を主人公として、破れていくさまを描く短編集。登場するのは、今川義元、真柄直隆、六角承禎、三好義継、佐久間信栄、百地丹波、織田信秀と、馴染みの薄いのもいる。お気軽な歴史小説というより読み物という感じで、そんなに面白くないは感じられなかった。


2021年9月14日火曜日

ホリデー・イン/坂木司 ★☆☆ 2021/09/14

オカマバーなのかホストクラブを経営するのオカマのジャスミンさんを中心として、いわゆるハートウォーミングを狙った連絡集という感じで、冒頭作は、よる道で倒れていた中年男性を拾って家に連れて帰り甲斐甲斐しく世話をするというものだが、総じてあまりおもしろくない。


2021年9月12日日曜日

みずうみ/いしいしんじ ★☆☆ 2021/09/12

3章からなる第1章は童話のような世界で湖の周りで暮らすひとたちで、第2章からは現代になってタクシー運転手がときおり水を噴き出すお話、第3章は日本人とアメリカ人が出てきて最後は誕生したばかりの嬰児が水を噴き出す。ぜんぱんてきによくわからず、なんども読むのをドロップしようと思ったがなんとか読破した。解説によると、他の作品は面白いようだ。機会がもしあれば。


2021年9月8日水曜日

妻は忘れない/矢樹純 ★★☆ 2021/09/08

短編集。解説を読みながら、ああサスペンスものなんだ、と気づく感じのサスペンスもので、サスペンスだとか考えずに普通に読んでいてそこそこ面白かった。都会に出て器用に自活している妹と、田舎で母と暮らす不器用な姉との関係を描く「百舌鳥の家」が一番良かったかな。


ひとかどの父へ/深沢潮 ★★☆ 2021/09/08

母清子と暮らす朋子が、疾走した自分の父親が朝鮮人であると知ってショックを受け、在日の親友とも交流を絶つが、やがて大阪に住む父を訪ねて乗り越えていくまでを、年代別に朋子の視点、母清子の視点など変えながら描いていく。比較的すらっと読めたが、ストーリー的には今ひとつかな。


風に顔をあげて/平安寿子 ★★☆ 2021/09/08

フリーターをやっている女の子の成長物語。愛情が薄れつつあるボクサーの彼氏、自分はゲイだという弟、折り合いがつかない母、ビール売りをしていたときに知り合った中年の小池さん、などとの関係を通じて、自分がやりたいことを見つけていくお話。まあまあよかった。


2021年9月7日火曜日

青嵐の譜 上/天野純希 ★☆☆ 2021/09/07

鎌倉時代、壱岐島に流れ着いた朝鮮の娘と2人の男の子たちのお話。蒙古襲来がテーマになっていて、ちょうどゴーストオブツシマをプレイしていたので、その点だけ興味津々で読んでいたが、まあそんなに面白くない。下巻はどうしようかと言ったところ。


2021年9月5日日曜日

小屋を燃す/南木佳士 ★★☆ 2021/09/05

医師でも著者が群馬での生活をもとに書いた私小説らしく、山で仲間と朴訥と過ごす日常を描く短編集と言ったところか。著者を知らなかったが、80年代に芥川賞をとったようで、たんたんとした文体は悪くないと思った。


2021年9月3日金曜日

プシュケの涙/柴村仁 ★☆☆ 2021/09/03

高校生もののミステリかな。頭の切れる由良彼方(かなた)が主人公で、前半は校内で飛び降り自殺したとされる吉野彼方の死の謎を巡って、後半は由良の吉野が仲良くなる話でなんとなく切ない感じ。全体的に読んでてイライラするので速読した。