2018年4月14日土曜日

最近読んだ本(~2018年5月)

遠き落日/渡辺淳一 ★★★ 2018/05/31
失楽園で有名な渡辺淳一なのでエロ小説かと思って読み始めたら野口英世の伝記モノ。しかも、英世が奇天烈、破天荒な人間として描かれていて、グイグイ惹き込まれた。面白かった。


百年法/山田宗樹 ★★☆ 2018/05/21
不老不死の技術を手に入れたんだけど古い人が居続けると困るので100年経ったら死ぬようにしましょうというパラレルワールドの日本を描くSFというか、架空世界の条件設定もの。不老不死化の処理をした人に不知の病が流行、というご都合主義的な展開にややげんなりしつつも、最後まで読ませてくれた。お風呂で読了。


悪の教典/貴志祐介 ★☆☆ 2018/05/16
どういったジャンルの小説なのか、題名から推測できそうでできない感じが悪くない。上巻というか前半は、小者感漂う悪人というかサイコパスチックな教師のやや陳腐なお話という感じで楽しく読み進めたが、自分が担任している生徒たちを殺戮し始めたあたりからつまらなくなってきて、後半は飛ばし気味に読んだ。日本映画の原作になりそうな感じだなと思っていたら、どうも映画になっていたもよう。ライトで読みやすい文体だが、中身がつまらない、まとめるとそうなる。


銀座のカラス/椎名誠 ★☆☆ 2018/05/05
椎名誠が業界紙の仕事をしていた若い頃を題材にした小説。新橋烏森口青春篇だったか、以前に業界紙の話を読んだことがあったので、またかと思った。上巻だけでやめようかと思ったが、下巻の途中からそこそこと思うようになった。


地の日 天の海/内田康夫 ★★☆ 2018/04/24
南光坊天海を主人公に戦国時代を、という感じなのだが、秀吉の出世話が大半で、あまり天海が出てこないという、戦国アレンジものにありがちな展開がやや残念だが、まあまあ楽しかった


砂の器/松本清張 ★★☆2018/04/20
ドラマを見たので、和賀英良が犯人と知っていながら読書開始。思い込みで捜査していくという感じがすごくして意外。ごくごく最後にライ病の話も出てきて、やや唐突に思うが、これもドラマで知っていたのだが。松本清張は、点と線、鬼畜も読んだが、今の時代から見るとやや物足りなさを感じる。


桜田門外ノ変/吉村昭 ★☆☆ 2018/04/20
ふと吉村昭を読んでみたいと思い、手にとったのがこれ。ほかにもあったが長編で長そうだったのがこれというわけ。タイトルからして桜田門外の変についてのお話だとバレバレだが、当事者の日記など様々な資料にあたって事件を正確に記した作品で、かなり退屈な内容。暗殺に成功したあと、主人公関鉄之介らがたどっていく運命が読みどころ。


聖なる黒夜/柴田よしき ★★★ 2018/04/20
推理小説の部類に入るんだろうか。それはさておき、ホモい展開に驚きつつも、かなり楽しめた作品。お風呂で読了


宿命 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京/楡周平 ★★★ 2018/04/15
東大安田講堂事件の描写から始まり、学生運動ものなのかな?、復讐劇なのかな?、サスペンスになるのかな?、と先の展開を期待しながら読了。途中、異母兄弟の婚姻に対する嫌悪感を抱くところが不自然で残念に思うものの、良作。


孤鷹の天/澤田瞳子 ★★☆ 2018/04/15
ストーリーを全く想起させないタイトルがいい。平城京の頃の時代小説。読んでいても風景があまり思い浮かばない。冒頭は大学寮を舞台にした青春ものという感じたが、風雲急を告げていく。お風呂で読了。
 

天皇の料理番/杉森久英 ★★☆ 2018/03/16
料理番になるまでは面白かったが、なってからはエピソードの羅列で今ひとつ


大地の子/山崎豊子 ★★★ 2018/03/13
日本人なら読まなくては、と思って読み始めた。わかりやすい悪役が登場したりする一昔前の小説手法はともかくとして、妹の悲しい人生に涙し、江月梅に惚れた。


ベルリンの秋/春江一也 ★★☆ 2018/03/08
冷戦時代から壁崩壊まで東欧を舞台にした外交官とドイツ人少女とのお話。文体がとっつきにくい上巻の後半まで退屈したが、シルビアとの愛欲の日々がなんとも羨ましくて素敵。


晩鐘/乃南アサ ★★★ 2018/03/05
ある殺人事件の被害者の家族と犯人の家族。それぞれ事件を乗り越えて、的なものなんだけど、最後は物悲しい。良作といっていい。


鬼畜―松本清張短編全集〈07〉/松本清張 ★★☆ 2018/02/16
鬼畜は映画が有名だが、怖くて見れないので、原作に当たった。短編なのであっさりした感じ。松本清張は長編のほうがいいのかな


模倣犯/宮部みゆき ★★☆ 2018/01/31
名前は聞いたことがあったので、サスペンスものなんだろうなと思いながら読み始め。何が模倣犯なんだろうというのが最後までわからなかったが、まあこんなもんだろうというところ。