2023年10月28日土曜日

クリスマス・テロル/佐藤友哉 ★★☆ 2023/10/27

少女冬子が密航する場面からスタートするので、このさきテロリストが出てくるハードボイルドかと思ったりもしたが、どうも作者が半分ふざけて書いたような作品で、サスペンスという分類になるの?作品の一部に当たるのか、最後の解説のところがよくわからんというか単純に面白くないので読み飛ばした。


夏休み/中村航 ★★☆ 2023/10/27

ボクとユキ、ユキの友達の舞子さん、舞子さんの彼の吉田くん、この二組のカップを巡るお話で、義理の友達とか、一方が別れたら他方も別れるとか、ドキッとするような文芸調の作品なのだが、後半は軽妙な展開をするだけになった感じがした。アンニュイな感じがする前半がよかっただけに残念。


翠玉姫演義 ―宝珠の海の花嫁―/柊平ハルモ ★★☆ 2023/10/27

中国を模した架空の世界で、嫁ぐ旅路に海賊にさらわれた香月が、経済の知識を使って勢力として独立を果たすといった内容。ラノベなのかな。

若殿八方破れ 一/鈴木英治 ★★☆ 2023/10/27

長編シリーズの一冊目。シリーズになるくらいだから面白いのかなと手に取った。松代藩真田家の若殿俊介が、江戸で男気あふれる活躍をするお話で家臣の仇を討つために、道場師範代、老家臣、女の子、といった妙な組み合わせで九州に向けて旅立つところまで。大名の跡取りが江戸で下手人探しとか、軽妙な話で悪くはない。


2023年10月26日木曜日

チンギス紀 五 絶影/北方謙三 ★★☆ 2023/10/25

ちょっと待ってよ、吹毛剣とか出てきて、水滸伝シリーズだったの?とぶったまげた巻。楊令の孫がテムジン?なんだろうこの設定。シリーズ前作の岳飛伝は登場人物が寂しかったので、モンゴル帝国の歴史からさまざまな人物が登場してくると思えば、楽しみか。


杉原千畝/大石直紀 *** 2023/10/23

表紙が唐沢寿明で、これが映画化されたのかなと思ったりしたが、逆に映画のノベライズが本作ということわかり、読む気が失せた。ノベライズものが悪いというわけではないし、72ページまでそこそこ楽しく読んだのだが、このさき映画にこういうシーンがあったんだろうなと思いながら読むのも嫌なのでドロップする。


2023年10月20日金曜日

癌病船/西村寿行 ★★☆ 2023/10/18

インパクトのあるタイトルで思わず手に取ったが、末期のがん患者を病院船に乗せて世界中を旅するというような話という出だしなのだが、男気に溢れた船長、潜入ミッションまでこなしてしまうカーペンターと呼ばれる乗組員らが活躍するハードボイルド調。最初の2つの話では、看護婦が凌辱されるシーンがあって、昔の大人向けの娯楽小説という感じ。ほどほどの内容というところか。


神様のカルテ/夏川草介 ★★☆ 2023/10/18

信州の市民病院で過酷な勤務にも関わらず患者のために尽くす医者のお話という、よくあるタイプのハートウォーミング経過ないと思ったのだが、その医者が夏目漱石好きという設定で、セリフとかが夏目漱石の作品風で、坊っちゃんのように登場人物にあだ名が付いていたり、正直なところうざかった。奥さんとの話もちょっと薄いなあ。


クリーピー スクリーチ/前川裕 ★★☆ 2023/10/18

大学職員の島本が、学内で行った連続殺人事件を解決する話なのかなと最初思ったのだが、一連の事件に見せかけて同僚の女を殺すという意外な展開に驚いた。いろいろ不自然で気になる点は多々あったものの、結構楽しめた作品。Amazonで調べたら、全5冊の2冊めとでたが、シリーズ物なのか。


2023年10月17日火曜日

書店男子と猫店主の平穏なる余暇/ひずき優 ★☆☆ 2023/10/16

書店を舞台にしたお話で、猫が記憶を食べてしまいそれを白昼夢として見るとかいう設定がよくわからず、最初のお話はなんとかついていけたが、ザーッと読むようになってから頭に入らなくなってきて186ページでドロップ。いましらべたら続巻のようで、前巻の「書店男子と猫店主の長閑なる午後」から読んだら違っていたかも。


2023年10月13日金曜日

チンギス紀 四 遠雷/北方謙三 ★★☆ 2023/10/13

4巻目。当たり前だが、テムジンの勢力がだんだん強くなっていく。4巻とどう違ったっけと思い返すが、あんまり変わっていないかも。そろそろタイチウトも滅びそうなので、ラシャーンに代わるお色気キャラにも期待したい。


2023年10月6日金曜日

記憶翻訳者 いつか光になる/門田充宏 ★☆☆ 2023/10/06

記憶翻訳者なるものについてのSF連作集で、過剰共感能力を持つ人がうんたらかんたらと裏表紙には書いてある。SFっていろいろ設定があって、それらを丁寧に理解していかないと話がつかめないのだが、どうも読み残ったようで、終始よくわからないという感じだった。51ページでドロップ。


2023年10月5日木曜日

生きいそぎ/志水辰夫 ★★★ 2023/10/04

短編集。幼くして死んだ姉の五十回忌を開こうと生家に集まる兄妹を描く「五十回忌」など、人の機微に触れる短編が多くて、とてもよかった。思い返せば、主人公は人生の後半の世代が多かったかな。じっくりと長編を読んでみたいなと思った。

弦と響/小池昌代 ★★☆ 2023/10/04

こんど解散しラストコンサートを開こうとするカルテットを、構成メンバー、その家族、スタッフなどそれぞれ視点を変えた短編で物語っていくという構成の作品。いろんな人生があるんだなあというところだが、大きなエピソードというわけでもなく、しっとりした語り口がよかったかな。


咲庵(しょうあん)/中山義秀 ★★☆ 2023/10/04

明智光秀を主人公にした歴史小説。この人はこうだったと、著者独自の見解に基づく講釈を垂れるタイプの作品で、斎藤家時代から事細かに描かれているのだが、反対に新解釈に基づく独自エピソードみたいなものは少ないかな。とはいえ、手堅い文章で、最後まですらっと読めた。


シチュエーションパズルの攻防 :サンゴ先生シリーズ/竹内真 ★☆☆ 2023/10/04

大雑把に言えば、銀座のクラブで推理小説作家が謎解きするという作品で、小説を読みながら謎解きする人向けの作品だなあ。謎解きを考えずにスラーと読んだのだが、あまり面白くなかった。続巻があるので、謎解き好きな人には好評のようだ。


トワイライト・シャッフル/乙川優三郎 ★★☆ 2023/10/04

短編集。13篇、収められている・「ウォーカーズ」や「フォトグラフ」はしっとりしてよかったが、登場人物が横文字の作品は総じて好みではなかったなあ。