2019年8月31日土曜日

消滅の光輪/眉村卓 ★☆☆ 2019/08/30

眉村ってたしかSF作家だったよね、と思って手にとった作品。さいしょ登場人物の他に地図やら設定が数ページに亘って書かれているが、いざ本編を読み出すと、どうも読むのがしんどい。読む進まないので26ページくらいでドロップした。

人間の空/福本和也 ★★☆ 2019/08/30

旅客機のパイロットとスチュワーデスの恋物語かと思ったが、パイロットの元妻が、そのスチュワーデスのりんかんさせりと下品に大活躍。旅客航空機パイロットの訓練とかそういうのに重点が置かれているようだが、元妻の奇天烈さに魅力を感じる作品だった。

2019年8月26日月曜日

虚像の政商/高杉良 ★★☆ 2019/08/25

ワールドファイナンスのカリスマ経営者加藤をめぐり、若手社員の井岡がのし上がっていく的なお話。実話をベースにした小説のようで、村上ファンドの村上をモデルにした人物も登場した。肝心のワールドファイナンスの加藤というのがピンとこず最後まで正体のわからなかったが巻末の解説によるとオリックスの宮内氏がモデルとのことだが、それでもよくわからん。上巻では井岡の母親と加藤との情事が語られたが、下巻では父親の下山と異母兄弟となる妹とのふれあいが語られたが、基本的には2000年代の経済事件を追っていくことに終始して、文学的には今ひとつな気がしないでもないが、最後まで一気に読めたので文章力はすごいということだろう。

北風の軍師たち/中村彰彦 ★☆☆ 2019/08/23

江戸時代、藩の国替えに際して隠密が探索に行くという感じのお話。この先面白くなるのかなと期待しながら読み進めて200ページくらいまできたが、面白くないなあ。

さらばスペインの日日/逢坂剛 *** 2019/08/18

開いた段階で、あれ読んだことあるんじゃないか?ヴァジニアって聞き覚えあるし、読みのをやめた本じゃないのか?と思って調べたら、先日ドロップしたのは暗殺者の森で、おそらく前後作だろう。ネタバレしたわけじゃないのだが、ドロップした作品の前後作品というのも読む気が失せるので、ドロップする。

水の中のふたつの月/乃南アサ ★★★ 2019/08/11

仲良し少女三人組の過去と現在において、秘密の儀式を共有するお話。乾くんがあっさり殺されたりするので、サスペンスなのかな。とても読みやすくて楽しめた。

おれのおばさん/佐川光晴 ★★☆ 2019/08/03

父親が逮捕され、おばが営む児童養護施設にあずけられた男子中学生の青春ものがたり。豪快なおばさんやまわりの仲間に支えられて順調に過ごしていく。安心して読み進められた。

2019年8月1日木曜日

64(ロクヨン)/横山秀夫 ★★★ 2019/08/01

上巻を読んだ時点で、昔にあった誘拐殺人事件通称ロクヨンをめぐる秘密を広報官が探るという、一般市民感覚的にはどうでもいいようなことに頑張っている警察小説だなあ、と退屈気味だったのだが、最後の最後にロクヨンにつながってきて驚いたサスペンス。小さなことに刑事が気がついて、事件の真相に近づいていく、という形式なので、事件の仕掛けが気になる人は何度も読み返すのかな。結局あゆみは行方不明のままで気の毒だが、それを乗り越える姿には感動を禁じえない。