2021年8月23日月曜日

こんな感じ/群ようこ ★★☆ 2021/08/23

仲の良いミユキ、マキコ、ヒロコのアラフィフ女性3人組のお話。テレビ番組の「はやく起きた朝は…」の思い出したりしたが、特に起伏があるという話ではなく、年令による体の衰えを嘆いた入りしつつお話が進行する連作集。まったり読める。

2021年8月20日金曜日

海は涸いていた/白川道 ★★☆ 2021/08/20

養護施設育ちでヤクザとつるんでいる伊勢孝昭が、生き別れた天才バイオリニストである妹が自分との関係が世間にしれて彼女の将来がだめにならないように、友人のかたきをうつついでに自らを処分しようとするストーリー。ハードボイルド物なので、そこそこ面白いのだが、後半の展開は腑に落ちず、作品全体としての印象は今ひとつ。でも映画になったみたいだね。


2021年8月19日木曜日

サージウスの死神/佐藤究 ★☆☆ 2021/08/19

主人公がギャンブルにハマっていく話なのかな、頭の中で数字を飼うとかいってルーレットにハマったりしてるんだが、あんまり面白くない。65ページでドロップ。


お局美智 極秘調査は有給休暇で/明日乃 ★☆☆ 2021/08/19

よくわからんタイトルながら手にとった。有能なお局女子社員のお話っぽいのだが、なんだろうか、あまり主人公の良さがわからない。シリーズものの途中から読みだしたからかもしれないが、まわりの登場人物との丁丁発止も鬱陶しい感じで、77ページでドロップ。


未来のミライ/細田守 ★☆☆ 2021/08/19

ちらっと著者紹介をみて、アニメの監督とか書いてあって、一気に興味半減。 冒頭の若い夫婦が小さな家を買うところあたりはよかったのだが、小さな子供が主人公視点になってきたあたりからイライラする。妹が生まれて、ハイハイという感じ。84ページでドロップ。


2021年8月18日水曜日

鴨川食堂まんぷく/柏井壽 ★★★ 2021/08/18

食堂を営む鴨川流が依頼人の思い出の食を探し求めるというものなのだが、最初は依頼人へ供される食事の内容、ついで依頼内容、最後に探し出された結果、という決まったフォーマットで六話が収録されている。しらべるとシリーズのようで8冊ほどあるようだが、気軽に楽しめる読み物シリーズだと思った。


2021年8月17日火曜日

死体は語る/上野正彦 ★★★ 2021/08/17

小説家と思って手にとったのだが、むかし人気を博した、監察医による法医学関係のエッセー。確かに面白いのだが、小説を読みたいので、66ページでドロップ。


彼女の家計簿/原田ひ香 ★★★ 2021/08/17

家計簿に書かれた日記を紐解きながら、母子家庭の里々が、女性を助ける団体の晴美と心を通わせつつ、日記の筆者である祖母とのつながりを感じ取るという内容。その祖母に置き去りにされたことになる母朋子が変人になっている設定がいまひとつストンと来なかったが、まずまずの良作。


2021年8月16日月曜日

すみなれたからだで/窪美澄 ★★★ 2021/08/16

短編集。あとがきにも書いてあったが、性をテーマにした短編が多い。昭和天皇のバイタルサインをときどき引用しつつ娘が母の後夫とできてしまう「バイタルサイン」、夏休み祖母の家へ泳ぎに来た中学生の男の子のもとに幼馴染の女の子や訪ねてくる「銀紙色のアンタレス」、認知症として看護されている老婆が戦時中に医学生との逢瀬の日々を思い出す「朧月夜のスーヴェニア」などが印象深い。


2021年8月15日日曜日

本日はどうされました?/加藤元 ★☆☆ 2021/08/15

まあ推理小説。病院での患者の連続死亡事件を雑誌記者が追うという体で、看護婦などにインタビューしていくという内容で、各人のインタビュー記事を読みながら、だれが犯人か読者が考えるという形式。なので、インタビュー内容自体は大して面白くもなく、推理に興味がないので読みすすめるのがやや苦痛だった。


2021年8月7日土曜日

氷室の華/篠たまき ★★☆ 2021/08/07

白姫澤という村の出身者には指と指の間に水かきがあって、その手を切り取って花としていける、というなんともオリジナリティの高い、サスペンスと言うかファンタジー。水かきを、ひらこだの、掻き平だの呼ぶセンスもいい。少女を相手にするペドい展開もあって、なんともすごい作品なのだが、文体が好みじゃないのが残念。


鬼はもとより/青山文平 ★★☆ 2021/08/07

奥脇は武芸と女に通じた若者が藩札の仕事に取り組むが、飢饉で求められた増刷を断って脱藩。江戸で万年青を商いつつも、つちかった藩札の知恵を伝授しているうちに、藩の経済を立て直しに役立とうとする。そこに飛び込んできたのが島村藩という貧乏藩で、そこの執政の清明と交誼を結びながら藩経済を立て直すのだが、この清明がすごすぎて、ちょっとダレる。


いくさの底/古処誠二 ★★☆ 2021/08/07

第二次大戦時、ビルマで農村に駐留する小隊で発生した殺人事件を扱うサスペンス。戦争がからむサスペンスというのが初めてだったので、こんなのあるんだと思ったが、解説を読むとジャンルとしてあるみたい。民間人で通訳として徴用された主人公の目を通して事件が進むが、実は華僑だの重慶軍だの真相がわかるシーンとかのロジックがやや難しかった。