2023年5月28日日曜日

楡の墓/浮穴みみ ★★☆ 2023/05/28

明治維新後の開拓時代の北海道を舞台にした短編集。故郷を捨てて出てきた少年が若い後家に拾われて札幌(さとほろ)の開拓に従事しながら絆を深める表題作のほか、全体的に読みやすかった。


君には、言えない/こざわたまこ ★★☆ 2023/05/28

短編集で、地下アイドルのシュウにそっくりの男の子とのデートを楽しむ主婦を描く「君はアイドル」、なんでも受け入れ耐え忍ぶしま子を描く「待ち合わせを君と」などが印象的だった。


デッドライン/千葉雅也 ★★☆ 2023/05/26

哲学を学ぶ、ゲイの青年を主人公にしたお話で、大学院でフランス現代思想を研究しつつ、仲間と遊んだり、男との出会いを求めたり、そんな文学チックな小説で、やや読みにくくもあるがなかなか良かった。


2023年5月26日金曜日

伝説の終焉〈5〉―デルフィニア戦記第4部/茅田砂胡 ★★☆ 2023/05/25

タンガに囚われていたリィがルゥに救出され、タンガ王のゾラタスを討ち取る。前巻で登場したルゥとリィによる、とても強いキャラクターが無双する物語だなと改めて思う。


2023年5月25日木曜日

私以外みんな不潔/能町みね子 ★☆☆ 2023/05/25

タモリ倶楽部によく出ていた能町みね子。エッセイかなとと裏筋を読んだら、はじめての私小説とあって、小説ならと手に取った。トイレを怖がる幼稚園児の話で、文章はウィットに富んだというのだろうか、洒脱な感じがしなくもないが、話自体はつまらなかった。


JR上野駅公園口/柳美里 ★☆☆ 2023/05/25

柳美里って在日の人で芥川賞を昔取った、と記憶しているので文学系の話なんだろうなと思いつつに取った。上野公園に住んでいるホームレスを扱った話で、子供が死に妻が死にと登場人物の身辺の不幸とかが起こって、それが原因になってホームレスになった的な感じなのかも知れないが、ストーリー的なところはあまり負えず、読みにくかった。


HELLO WORLD/野崎まど ★☆☆ 2023/05/25

アルタラと呼ばれるこの世のすべてを記録する装置の中で現実世界が複製されており、そこで未来に死ぬという彼女を救うとかいう設定のお話で、SFチックな青春恋愛もののような雰囲気だが、SF設定がよく分からなくていまいち。主人公も堅書(かたがき)とか変な名前なのも痛い。


2023年5月19日金曜日

海が見える家/はらだみずき ★★★ 2023/05/18

千葉の海沿いの町で、文哉と離れて一人でいった父の遺品を整理しながらその暮らしぶりに想いを寄せ、地域の人々と交流していくといった話で、なかなか良かった。凪子の登場が薄いまま終わったなと気になったが、続編があるようでそちらで活躍するのかな。


2023年5月18日木曜日

デルフィニア戦記 - 第IV部 伝説の終焉4/茅田砂胡 ★★☆ 2023/05/17

リィがタンガの捕虜となり、シェラがファロット伯爵を倒し、リィの相棒のルウが登場、と怒涛の展開だが、あと2巻で終わりなので、この先収束していくんだなあと寂しくなってきた。


2023年5月14日日曜日

はないちもんめ/有馬美季子 ★★☆ 2023/05/14

江戸で料理屋「はないちもんめ」を営む、お紋、お市、お花の祖母、花、娘の3人のお話で、事件とが起こって解決していったりするというよくある形式のお話で、安いマグロを使ってねぎま鍋とかいかにもな感じで、特段面白いということはないのだが、お紋とお花の祖母と孫の悪口の言い合いというのは面白く感じた。7巻まであるみたい。


逆転/小杉健治 ★★☆ 2023/05/14

刑事弁護士が、被疑者の無実を証明するために真犯人を見つけようとするのだが、物的証拠はなく内堀が犯人だろうと迫っていく様子に、とんでもない小説だなあと思ったが、最後に内堀が自首してびっくりした。この小説で山中温泉のこおろぎ橋のことを知り、すこし行きたくなった。


2023年5月13日土曜日

ビストロ三軒亭の謎めく晩餐/斎藤千輪 ★★☆ 2023/05/12

役者を目指していた青年が三軒茶屋にあるビストロのギャルソンとして働くのだが、そこのシェフ伊勢や他のギャルソン仲間とともに、客の悩みなどを解決していくといった感じのお話。シリーズ化している模様。気軽に読めたが、複雑な謎解きというわけでもなく、お料理描写が良いというわけでもなく、そこまでという感じかな。


○○○○○○○○殺人事件/早坂吝 ★★☆ 2023/05/12

ミステリをパロったミステリで、小笠原諸島の仲間内でパーティーしていたら殺人事件が怒るのだが、途中でヌーディストのグループだとわかったり、ビッチ設定の女の子が謎解きを始めたりと、展開の読めない楽しさがあり、意外と楽しめたというところ。冒頭の題名宛クイズはどうなったのだろう。

2023年5月11日木曜日

忍びたちの本能寺/近衛龍春 ★★☆ 2023/05/10

羽柴秀吉が明智光秀でそそのかした証拠を求めて、多羅尾という忍びが本能寺の変の謎に迫るというストーリーで、明智家の生き残りとかに聞いて回るのだが、なんか面白くない。読みにくい文章ではなく、いろいろ細かく調べて書いたみたいだが、テーマ自体が面白くない。読むのをやめようかと思ったが、第3章の途中から9章までスキップして最終章に飛んでみて、どうも生き延びた光秀が徳川に匿われているようなのだったが、いまひとつな感じがした。


2023年5月3日水曜日

リバー/奥田英朗 ★★☆ 2023/05/03

 ゴールデンウィークで帰省中に一日で読破。渡良瀬川沿いの桐生市と太田市で全裸の女性死体が見つかるという殺人事件を追うという話で、10年前に起きた同様の事件での被害者家族の松岡が執拗に事件を追う姿がロクヨンを思い出させるので、読んだことがある作家だなあと思いながら今調べたら「邪魔」とか「無理」とか読んでいた。