2024年9月27日金曜日

湖畔亭/内海隆一郎 ★★★ 2024/09/27

70くらいのおじいさん小笠さんが主人公の温泉旅館を舞台にした短編連作集。お風呂の温度の調整がうまい湯番として活躍するかと思えば、目利きが効いたり、はては一流の板前の腕前というスーパーマンさにちょっと驚いたが、人情系の読み物としてとても良かった。解説を読んだら、ハートウォーミングものたくさん書いているようで、お気楽読書としてはいい作家さんだと思う。


ダナエ/藤原伊織 ★★☆ 2024/09/27

文芸チックな3篇の短編集で、冒頭の表題作と最後の「水母(くらげ)」が良かった。表題作は、絵を潰された画家がぬるりと犯人を探しうちに自分の謂れのある娘に行くつく飄々とした作品。2篇目の「まぼろしの虹」は連れ子同士の姉妹が絡んだ話だがよくわからなかった。最後の水母はやけっぱちになりげな人が別れた女のために一肌脱ぐお話。


過ぐる川、烟る橋/鷺沢萠 ★★★ 2024/09/26

引退し芸能人として活動している人気レスラーが、これまでの生い立ちを振り返りつつ、親友である波多江とユキが落ちていくさまに呆然となる。文章が良くて引き込まれた。文学チックな香りもしていい本に巡り会えたなと思った。


葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午 ★★☆ 2024/09/26

Youtubeで読む前に戻りたい大どんでん返し小説としておすすめされていて手に取った。若者と想像して読んでいた主人公たちが実は老人だったという感じなのだが、霊感商法の業者に侵入したりとかストリー自体はちょっと今一つだったなあ。


2024年9月21日土曜日

この本を盗む者は/深緑野分 ★☆☆ 2024/09/20

甥っ子がこの著者の本を読んでいたので手に取った。地方にある蔵書の多い私設図書館を舞台にしたファンタジーで、本を盗まれるとブックカースが発動して本の物語の世界になって犯人を探すという構成。登場人物も可愛らしい感じで悪くないのだが、設定とか風景とかの記述があんまり頭に入ってこなくて、文体が合わないというか読んでいて楽しくない。全5話のうち1話と2話と読んでだめだと思い、最終の5話に飛んだら全くよくわからんかった。


2024年9月13日金曜日

ソードアート・オンライン1アインクラッド/川原礫 ★★☆ 2024/09/12

ヘッドマウントディスプレイより深くVRにダイブできるデバイスを使ってMMORPGの世界に入ったらログアウトできなくなり、仕方なくゲームクリア目指して頑張っていくお話が、途中から純愛要素も入ってきてややこそばゆい。長大なシリーズとかしているが、本第一作目はこれで完結しているので先には進まず、面白い設定の良作だったなということで読み終わる。


夏至のウルフ/柏木伸介 ★★☆ 2024/09/13

愛媛県警に勤める、ウルフとあだ名される刑事が主人公の短編集。狩りモードに入ったウルフがさっそうと解決する。松山の風景描写も懐かしい良作。


2024年9月11日水曜日

サンショウウオの四十九日/朝比奈秋 ★★☆ 2024/09/11

父の葬儀に帰省したときに読んだ。1つの体を共有する姉妹、杏と瞬とのお話で、杏と瞬とで変わりながら語れられていき、本作独特な読書体験ができてよかった。


2024年9月7日土曜日

島津戦記(一)/新城カズマ ★★☆ 2024/09/06

薩摩の島津家の話かと思って手に取った。戦国歴史モノ的なものを期待していたのだが、イスラムの姫だどうたらとか言い出して、架空時代小説なおもむきが感じられて、ちょっと今一つだったなあ。続巻へは読み進まず。


新八犬伝 起/石山透 ★★☆ 2024/09/06

里見八犬伝を現代語訳した感じかと思って手に取った。どんな話かは知っていたが、面白ければ全巻読んでみようと思っていたのだが、八犬伝じたいさほど面白い筋書きでもないので、本巻だけにしておく。著者のおふざけもやや鼻についたかな。


2024年9月5日木曜日

ロードス島戦記 灰色の魔女/水野良 ★★☆ 2024/09/05

そういえば昔はやっていたなあと思い返して手にしたロードス島戦記。たしかRPGを小説にしたようなものという印象を持っていたが、まあそんな感じだった。すごく流行った割には、そんなに面白いという感じでもなく、こんな感じの小説だったんだなあと納得した、第3章救出を読み終えたところでドロップした。