2021年12月25日土曜日

出会いなおし/森絵都 ★★☆ 2021/12/25

短編集。タイトルからしっとりしお話かなと思って手にとったのだが、冒頭の表題作はそんな感じ。「カブとセロリと塩昆布のサラダ」も悪くなかったが、ほかは文学的というか冒険的な文体で、読みづらいのもあったかな。


青と白と/穂高明 ★★★ 2021/12/25

東北大震災をめぐり、東京に住む小説家の姉、仙台で不動産会社に勤める妹、津波で死んっだ叔母、など震災で傷ついた心や絆を取り戻していく内容だが、とても心に響く文体で、今年最後に良い本に出会えてよかった。


2021年12月24日金曜日

非運の果て/滝口康彦 ★★★ 2021/12/24

時代小説の短編集なのだが、すごくいい。敵討ちに出た者たちが、数十年と諸国を放浪する話とか、ああそうなんだと思ったし、女性を主人公にしたお話も趣があって読み応えがあった。作者の滝口康彦は2007年に亡くなっており、もっと早くに出会いたかったが、そこそこ作品は残っているようなので、おいおい手にできればいいなあ。


バー・スクウェアの邂逅/福田和代 ★★☆ 2021/12/24

 大阪キタのデッドエンドストリートにあるバー、スクウェアで刑事三田が遭遇する出来事を描く、ミステリというより警察小説かな。6話収められているが、1話目が評判良かったのでシリーズしたという感じなのかな、三田のキャラクターが変わっていったような気もした。まあまあ楽しめた。


夢見るレシピ ゲストハウスわすれな荘/有間カオル ★★☆ 2021/12/24

アニメっぽい表紙にラノベかなと思いながら手にとったのだが、東京に出てきた失意の女の子が山谷のゲストハウスで、管理人や宿泊者と交流しながら自信を取り戻していく、穏やかなお話。なかなかよいと言ってよい。レシピも掲載されているけど、そんな料理料理しているわけでもなくちょっと余計かな。


楽園後刻/甘糟幸子 ★☆☆ 2021/12/22

中年くらいの女性たちのお話のようで、割と好きな題材なのだが、文体が読みづらくてだめ。読んでても頭に入ってこないし、辛い。35ページで早々にドロップした。


2021年12月20日月曜日

時雨の記/中里恒子 ★☆☆ 2021/12/20

いま検索したら吉永小百合で映画化された名作のようなのだが、昔のお妾さんの美徳というか、そういうのを描いたような作品。最初は、まったりした男女恋愛ものかと思ったけど、まあ文体も読みやすいとは言えず、テーマも今ひとつだったな。


2021年12月15日水曜日

ご冗談でしょう,ファインマンさん 上/リチャード P. ファインマン、大貫昌子 ★★☆ 2021/12/14

大学時代に存在を知った本だが、翻訳ものは好きではないのでこれまで読まなかった。ふと再開したので手にとったが、翻訳調の文章が好きになれないなあ。ノーベル受賞者のファインマンの子供の頃の話。52ページまで読んだところで置く。


2021年12月13日月曜日

カブールの園/宮内悠介 ★☆☆ 2021/12/13

子供の頃に人種差別でいじめられた心の傷を癒やす表題作と、異国で父が失踪した姉弟を描く「半地下」からなるのだが、表題作もストンと入ってこず、「半地下」もどうも面白くなくて139ページでドロップした。


2021年12月11日土曜日

ノワール-硝子の太陽/誉田哲也 ★★☆ 2021/12/11

誉田哲也の作品は数多く、またシリーズものっぽいので手を出しにくかったが、えいやと手にしたのがこれ。悪人ども殺して回る歌舞伎町セブンという組織と、東という刑事とのお話。冒頭、少女を拉致誘拐しての陵辱でどんな作品なんだと驚いたが、まあシリーズの中の一作という感じで新世界秩序が歌舞伎町を封鎖したという事件があったとか語られるのだが、そんなに面白いというわけでもないかと感じた。


2021年12月10日金曜日

幻詩狩り/川又千秋 ★☆☆ 2021/12/10

タイトルからして、文学作品が禁じられた世界でそれを取り締まる官憲が、みたいな筋かなと序章を読んで思ったが、第1章になってフーメイがドゥバドとか言い出してよくわからん。読むのがしんどくなってきたので、96ページでドロップした。


2021年12月4日土曜日

ガリヴァーの帽子/吉田篤弘 ★☆☆ 2021/12/04

短編集。「名前のないトースターの話のつづき」は悪くなかったが、ほかはわかりづらくよみづらくもある作品ばっかりだったなあ。しっかり読んだら面白いのかと思ったが、通勤電車で気軽に読むには向いてなかった。


2021年12月3日金曜日

英子の森/松田青子 ★★☆ 2021/12/03

短編集。冒頭の表題作は、英語好きな20半ばくらいの女の子が、英語を活かそうと派遣社員などの仕事に精を出していくお話で、まったりした感じもして悪くない。ただ、他の作品が、文学チックと言うか一風変わった作風ばかりでとっつきにくい。


2021年12月2日木曜日

破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします/和泉あや ★★☆ 2021/12/02

転生モノって読んでみたかったので手にとった。好きなゲームの中に転生するという設定に驚いたが、登場人物に生まれ変わって望むエンディングを迎えるためにフラグを意識して生活していくとか妙なお話なのだが、気軽に読めた。


キングレオの回想/円居挽 ★★☆ 2021/12/02

続編なのだが、探偵公社の名探偵獅子丸と、その活躍をノベライズしたキングレオの筆者大河が出てくるお話で、こういうのをラノベと言うんだろうか、奇妙な設定には感心するし、軽妙な物語の進行にも感心するが、肌には合わないなあ。


2021年11月27日土曜日

カズサビーチ/山本一力 ★★☆ 2021/11/27

江戸時代末に、日本の漂流民をアメリカの捕鯨船が助けて日本に帰すお話。日本へ向かうペリー提督の使いが、その時の船長に話を聞きに来るという形式なので、さいしょペリー提督の話かと勘違いした。異文化交流もので、まあまあというところかな。


2021年11月26日金曜日

雨上がりの川/森沢明夫 ★★☆ 2021/11/26

学校でいじめられ不登校になった娘を心配して、霊能者を信じ込むようになった妻を、夫と娘が近くに住む心理学者の助けで洗脳を解くというお話。いじめ話がかわいそうで読んでられないという感じだったのだが、後半謎解きっぽい感じになって読みやすくはなった。


2021年11月24日水曜日

運命の絵/中野京子 ★★☆ 2021/11/23

絵画を解説するという本で、 小説じゃないのでしばらく食指が動かなかったのだが、1話(1絵画)が10ページ未満と短いの少しづつ読み進めた。絵画のどこにこれが書かれていて、こんな意味だと、物知りげに解説しており、説明文が作家だけあってしっかりした文章なのに感心した。


2021年11月23日火曜日

満州事変 戦争と外交と/臼井勝美 *** 2021/11/22

小説ではなさそうと思いながら手にとったが、難しくて読みづらく、そうそうにドロップした。


2021年11月20日土曜日

夜の署長/安東能明 ★★☆ 2021/11/19

新宿署の下妻がキャリアの野上を指導しつつ事件を解決していくお話が4編入っている。謎解きがメインなのかな、下妻が解いていくのだが、読んでいてもなんでそうなのかよくわからなかったが、最後まで楽しめた。


愛よりもなほ/山口恵以子 ★★☆ 2021/11/19

大正時代だろうか、新興財閥の娘が華族に嫁に行ったところ、そこの華族が性的に乱れていたのに憤慨して取り仕切っていくというお話。旦那が死んでがらっと娘の話に切り替わるのだが、前半部分のほうが面白かった。


誰かが見ている/宮西真冬 ★★☆ 2021/11/19

子育てや夫との関係に悩む女性の登場人物が複数出てきて、それぞれ悩み苦しむ姿を描きながら、最後に子供の誘拐未遂事件が起こってほっこりしつつ大団円という感じなのだが、登場人物が多すぎで各登場人物の立ち位置を理解できなかったが、残念かな。


2021年11月3日水曜日

寝台特急「サンライズ出雲」の殺意/西村京太郎 ★★☆ 2021/11/03

ちょうどサンライズ出雲に乗る予定があったので手にとった。初めての西村京太郎なので、どんな感じなんだろうと期待したのだが、プロの殺し屋をサンライズ出雲の車内で殺害しようとするエピソードがあるだけであんまり関係してこない。サスペンスとしても、謎解きがメインという感じで、さほど面白くなかったというのが正直な感想。


2021年11月2日火曜日

真田手毬唄/米村圭伍 ★☆☆ 2021/11/01

大阪夏の陣を秀頼が鹿児島に落ち延びたという手毬唄が流行り、というなかなか面白そうな出だしなのだが、妙に砕けた文体にイライラして54ページでドロップ。

2021年10月30日土曜日

カエルの楽園2020/百田尚樹 ★☆☆ 2021/10/30

百田尚樹は読んだことがないなあと手にとった薄い一冊なのだが、ツチガエルがどうだとかウシガエルがどうだとかカエルの登場人物たちが会話していて、政治思想の寓話を書こうとしているのかなとか思ったりもしながらも読むのが苦痛なので24ページほどでドロップした。