2019年10月30日水曜日

夢をまことに/山本兼一 ★★★ 2019/10/29

上巻:江戸時代を舞台にした時代小説だが、国友村の鉄砲鍛冶が、オランダから渡来した空気銃や望遠鏡の複製を通じて、世の中のことわりを解明することに興味を持つというお話。恋愛沙汰や刃傷沙汰などのない淡々とした物語なのだが、主人公のひたむきな姿勢に惹き込まれる良作。
下巻:鉄砲鍛冶がたんたんと仕事に打ち込んでいくお話。かつて対立した年寄りの息子も弟子にとって、後継者づくりにも励む人格者として描かれる、国友一貫斎は実在の人物でWikipediaにも項目があった。いい人のお話って、深みに欠けるように思うが、徹底的にいい人に描かれているのが特徴。最後まで読みやすかった。

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